電子情報学特論T シラバス


月日 講師 講師所属 内容
4月8日 坂井 東大 ガイダンス(PDF) 本講義のガイダンスを行う
4月15日 今井 浄 松下電器 情報家電(デジタルテレビ)〜デジタルテレビ受信機の開発動向〜
(PDF)

テレビのデジタル化がグローバルに進展している。本講義では、日本で2000年末に始まったBSデジタル放送の事例をベースとして、デジタルテレビ、データ放送、通信連携、家庭内ネットワークなどの技術の最新動向と、デジタルテレビの将来展開についてご紹介する。

・デジタルテレビ放送の概要(デジタルテレビの送受システムの基礎)

・BSデジタル放送の概要(BSデジタル放送のサービスの仕組みと技術仕様)

・BSデジタル受信機(デジタルテレビ受信機の要素技術)

・デジタル放送の展開(日本の動向、グローバルな動向、他のメディアとの関係)

4月22日 中原 道紀 日本IBM オープンソース(LINUX) インターネット・インパクト〜(PDF)

 インターネットがもたらした効果をその顕著な例であるオープンソースを中心に解説する。またその中においてデファクト・スタンダードが、市場にもたらす影響も併せて考察を加え今後の方向性を考えていく。

・インターネット・インパクト(影響、位置づけ など)

- IBMの試行

- チェスマッチ

- スポーツ・イベントを通じてのインターネットの動向体感
- 標準化作業
- オープンソース(デファクトの意味)
- 企業の取り組み

- インターネット・コミュニティへの貢献

- オープンソースへの取り組み

- S/390へのLinuxの適用

- オープンソース環境でのデファクト作り

- Linuxテクノロジー・センター(社内)

- Enterprise Linuxプロジェクト

- オープンソース開発研究所(社外)

5月13日 土井美和子 東芝 ブルートゥース
- ブルートゥースと、それによって実現するユビキタス社会 - (PDF)

 今後大きな発展が期待される近距離無線規格ブルートゥースの基礎を簡単に説明した後、その応用を説明する。特に身の回りの種々の物に入り込みそれらがネットワーキングされて、ユビキタス社会を構築する可能性があることを説明する。

・ブルートゥースの基礎

・ブルートゥースの主要プロファイル

・ブルートゥースのアプリケーション

5月20日 高木 伸行 東芝 小型PC(PDF)

東芝が世界で初めて1985年にラップトップPCを出した時の開発経緯と、その後、ポータブルPC分野で1994−2000年の7年間シェア世界一の座を維持するために開発したキー技術と生産戦略を説明する。また、今後のノートPCの技術動向を説明する。

・東芝ラップトップPC開発経緯

・ノートPCで7年間世界一を維持するための開発@生産戦略

・軽薄短小化技術(実装技術、LSI、冷却技術)

・設計プロセス改革

@三次元CAD/CAM/CAE/CAT技術

@シミュレーション技術(EMI、静的@動的力学解析、高速回路、静電気など)

キーユニット開発の他社連携

高品質@高信頼性設計

低コスト戦略

グローバル生産体制

・これからのノートPCの動向

無線技術、Bluetooth技術、テレビ技術、小型記憶装置技術(HDD,DVD、メモリーカード)、カメラ技術、画像処理技術、情報通信技術などとの融合商品が進展。

5月27日 山之内 徹 日本電気 電子商取引(EC)
〜次世代ECのプラットフォームとして期待されるWebサービス基盤〜(PDF)

 次世代ECのプラットフォームとして期待の大きい、Webサービスの基盤技術、標準化/業界動向、アプリケーション、NECの取組みについて紹介する。

・Webサービスとは:現在のECシステムの課題とWebサービスの特長
ビジネス領域/適用事例
事例紹介と社会/ビジネスへのインパクト

・Webサービスを支える基盤技術:技術スタック(SOAP,WSDL,UDDI)
・Webサービスの事業としての方向性
・B2Cサービス、B2Bサービス、inBサービス

・標準化/業界動向:標準化の現状と各社の製品体系
・NECの取組み
・NECの製品戦略と研究開発、製品開発の状況

6月3日 池田 尚哉 日立製作所 ルータ(IPv6)
IPv6ネットワークとそれを支えるルータの技術〜
(PDF)

 コンピュータだけでなく電話や家電、自動車等多くの機器がインターネットに接続される社会を支える技術としてIPv6 (Internet Protocol version 6) が注目されている。ここではIPv6ネットワークを構築するルータの技術についてルータ開発者の立場から技術解説を行う。

・インターネットのモデルとは

IPv6の必要性、メリットとは

・ルータアーキテクチャの変遷

IPv6時代のネットワークの課題とルータへのリクワイヤメント

・高速IPv6ルータ技術とその応用技術の例

・相互接続性の確保について

・今後の展望

6月10日 渡辺 貞 日本電気 スーパコンピュータ
〜応用・歴史・高速化技術〜(PDF)

 科学技術用超高速コンピュータ(スーパーコンピュータ)の応用分野を概観し、その歴史と高速化を実現する為の技術につき、開発の内幕を交えて講義する。

・応用分野(第3の科学−計算科学−):−車の衝突解析、気候温暖化、石油探査、野球

・歴史:−性能向上の歴史、アーキテクチャの変遷、半導体技術・実装技術の進歩

・高速化技術:−スーパースカラ・VLIW、ベクトルパイプライン、並列処理、キャッシュとメモリバンド幅

・開発:−ゼロからのスタート、世界最高速を目指す、技術への挑戦

6月17日 村木 克己 三菱電機 iDC(PDF)

インターネットデータセンターiDC

 昨年来突如として脚光を浴び、今後のe_Japanやブロードバンドの鍵ともいわれるIDCの生い立ちおよび現状を認識し、技術とビジネスモデルの両方の点から今後を考察する。特になにかを知るのみならずなぜかを考えたい。

IDCとは

   目的・機能・実際: IDCバーチャルツアー

   日米のIDC ビジネスモデルの違い

・エレクトリックコマース時代のインターネットの問題点

   性能:首都高速の渋滞。誰か走ったかアクアライン。

   信頼性:ハッカー、クラッカー、シルッカー

   コスト:NETはただと誰か言う。

THE IDCはこう解決する

   1.5兆円の取引は安全か?サイバー忍者部隊。

   世界のキャリアの1000芯光ケーブルが集まるところ市が立つ。

   分散IX の構想 と SUNサーバー600台。

   24時間の監視業務、誰かは本気で働かなくては。

6月24日 岡村 正司 日本IBM 大規模システム構築のプロジェクトマネジメント
〜国際標準に準拠した開発手法とマネジメント〜(PDF)

 大規模システムの開発で成功の鍵は、ソフトウェア−エンジニアリングの採用とプロジェクトマネジメントです。DOA開発体系(DFDERD、複合設計、構造化テスト等)とアーンドバリュー、EMV(リスク管理手法)に代表される国際標準準拠のプロジェクトマネジメントの概念・仕組みを説明する。

・大規模プロジェクトの全体イメージ

・ソフトウェア−エンジニアリングの利用

モデル発展の歴史

DOA開発体系(DFD、ERD、複合設計、プログラム構造図、C1テスト)

主要技術(エンティティ、正規化、ジャクソン法、状態遷移モデル、テスト法) 

・国際標準プロジェクトマネジメントの利用  

PMI(米国プロジェクトマネジメント団体)の普及

プロジェクトマネジメント体系

主要手法(EVA(アーンドバリュー分析)、EMV(リスク管理)等)

・プロジェクトマネジメントの今後の展開

ソフトウェアー1S0 9000、及びCMMの導入

 国際標準に準拠した手法の導入に向けて

7月1日 福井 良太郎 沖電気 高度道路交通システム(ITS)(PDF)

ITSの概念から応用に至る全体像を説明する。次にITS技術の主要な要素である情報通信技術について解説し、まとめとして国際動向や開発動向に触れる。

・ITS概論:総論、ITSの機能、システム事例など
・ITS情報通信技術:開発の歴史、路車間通信、車車間通信、応用システムなど
ITS国際動向:国際会議、国際標準化、欧米の取組状況など・ITS開発動向:技術展望、電波環境問題、取組指針など

7月8日 林 一司 富士通 インターネットサービスプロバイダ(ISP)(PDF)

インターネットが普及するにつれ、インターネットサービスプロバイダ(ISP)の重要度は高まってきているが、実際のISPの業務についてはあまり知られていない。

ここではISPの現状について実際の業務などとともに説明する。さらに今後のブロードバンド環境への展開についても述べる。

・インターネットの普及動向

 日本でのこれまでのインターネットの展開

 接続環境の変化(パソコン通信→ダイアルアップPPP→ADSL→??)

・ISPの歴史

 日本でのISPの展開状況

・ISPの現状

   ISPを取り巻く環境

   ISPの業務

・これからのブロードバンド環境への展開

 ビジネス展開

 問題点

7月15日 石井 裕 シャープ 液晶ディスプレイ
高画質ディスプレイへの挑戦〜

液晶ディスプレイ 

電卓から構成のモバイル機器、PC、大型テレビへの適用発展過程の中で、液晶の性能/プロセスの進化を解説する。

・液晶材料の歴史

・液晶デバイスの特徴

・電卓の誕生と小型ディスプレイの普及要因

・単純マトリクス駆動とアクティブマトリクス駆動

・液晶ディスプレイの最前線

・今後の展開