形状自在SiP

ウェアラブルコンピューティングやワイヤレスセンサネットワークといったアプリケーションの隆盛に伴って,機能や実装形態の異なる多様な組み込みシステムの開発が必要とされている.それぞれのシステムにおける機能や性能,消費電力の要件を単一のコンピュータシステムによって満足することは難しいため,アプリケーションに応じたシステムの新規開発が要求される.しかし,新たにSoC(System-on-Chip)を開発する場合、大きなチップサイズや膨大な設計コストが課題となる. そこで,本研究においては水平方向の誘導結合を利用して,規格化された小さなチップ間を接続する手法を提案する.横並びにしたチップのそれぞれへコイルを搭載することで,数百µm距離の誘導結合通信を可能とし複数チップ間の無線接続を実現する.それぞれのチップ間を有線接続する必要はなくなり,多様な実装形状やチップの辺を回転軸とした形状変形が可能となる.システムに必要な機能を持ったチップを選択して組み合わせることによって,設計コストを低減することができる. 提案手法によって,多様な形状を持ち,変形可能なシステムの構築が可能となる.さらに,提案手法と無線給電技術とを組み合わせることで,外部との有線接続が存在せず,チップ同士を隣接して配置するだけでシステムを構築可能な,全く新しい実装手法を実現できる.

  • 門本淳一郎, 入江英嗣, 坂井修一: 水平方向チップ間ワイヤレスバスを用いた形状自在SiPの検討, 電子情報通信学会技術研究報告, Vol. 118, No. 334, pp. 43–48, Dec., 2018.