距離センサを利用したドライバ運転姿勢検知の研究

コンピュータ・センサ類の小型により、近年の自動車は高い計算能力を獲得し、多様な情報を扱えるようになってきている。またここ数年ドライバの健康状態に起因する事故が増加傾向にあり、これらの事故は重大事故になる可能性が高いので新たな対策が必要である。そこで、自動車業界では先進技術を駆使してドライバ異常時対応システムの開発を進めている。

ドライバ異常時対応システムでは、ドライバの異常状態を検知することで、事故を予防する技術である。ドライバの状態を検知する方法には、生体電気信号を用いたもの、顔の表情を捉えたもの、運転挙動を用いたものが今まで考案されている。これらの手法ではドライバの眠気を推定することを目的としており、健康起因による事故に応用することは難しい。

意識消失時のドライバ挙動を分析した結果、ドライバの姿勢が意識消失の判断に有効であるとの報告がある。そこで、本研究では距離センサを用いた運転姿勢検知システムを開発している。

このシステムでは距離センサの情報から、機械学習の手法を用いて運転者の関節位置座標を推定する。この関節位置座標を、体格に関してのロバスト性を持つJoint Relation Tensor (JRT) という姿勢表現に変換する。このJRTを使い、異常検知アルゴリズムにより運転者の異常姿勢を検出する。

現在は、運転環境下において高精度に関節位置座標が推定できる手法と異常姿勢検知アルゴリズムの実装を行っている。さらに実車環境下において、これらのシステムを統合して、 評価を行っている。結果は9割の異常姿勢が検知でき、良好である。